老後に必要なお金はいくら?夫婦・独身のシミュレーションで解説

老後に必要なおかねは?
三井住友銀行カードローン豆知識

「老後に必要なお金はいくら?」
「夫婦(独身)だと老後に必要なお金どれくらいだろう?」

などなど、老後に必要なお金についてこうお思いの方もいますよね。

なかには老後となれば生活費を稼ぐのは難しくなりますから、事前にしっかり準備しておきたいことでしょう。

今回はそんな方に向けて、総務省の「家計調査報告」をもとに老後に必要なお金について解説していきます。

具体的な金額でシミュレーションしますので、ぜひ最後までお読みください!

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老後に必要なお金はどれくらい?

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では老後に必要なお金がどれくらいか、夫婦・独身(一人暮らし)のそれぞれで見てきましょう。

老後に必要なお金のシミュレーション【夫婦編】

まずは夫婦2人について、1ヶ月・1年間・老後25年間の生活費について見ていきましょう。

<老後に必要なお金(夫婦2人の場合)>

期間費用
1ヶ月224,390円
1年間2,692,680円
老後25年間67,317,000円

夫婦2人で老後に25年間を過ごす場合は、上記の通り6,730万円ほどの生活費が必要になるんですよね。

なお上記1ヶ月の生活費224,390円の、具体的な内訳をみると以下の通りです。

<老後1ヶ月の支出(夫婦2人の場合)>

支出の項目支出金額
食料65,804円
住居14,518円
光熱・水道19,845円
家具・家事用品10,258円
被服および履物4,699円
保健医療16,057円
交通・通信26,795円
教育4円
教養娯楽19,658円
その他支出46,752円
合計金額224,390円

上記表の通り、生活費のうちで特に大きな割合を占めるのは食費で、平均65,804円かかります。

もし食費を抑えたい場合は自炊中心の生活にしたり、外食を控えたりするのが得策ですね。

また住居費は平均14,518円かかりますが、これは住居の所有方法(持ち家or賃貸)なのか、また居住地域(都市部or地方)などで変動しますよ。

老後に必要なお金のシミュレーション【独身・一人暮らし編】

次は独身・一人暮らしの方の場合で、老後に必要なお金のシミュレーションを見ていきましょう。

<老後に必要なお金(独身・一人暮らしの場合)>

期間費用
1ヶ月133,146円
1年間1,597,752円
老後25年間39,943,800円

独身・一人暮らしで老後25年間を過ごす場合は、上記の通り3,990万円ほどの生活費が必要になるんですよね。

なお上記1ヶ月の生活費133,146円の、具体的な内訳をみると以下の通りです。

<老後1ヶ月の支出(独身・一人暮らしの場合)>

支出の項目支出金額
食料36,581円
住居12,392円
光熱・水道12,957円
家具・家事用品5,328円
被服および履物3,181円
保健医療8,246円
交通・通信12,002円
教育0円
教養娯楽12,910円
その他支出29,549円
合計金額133,146円

65歳以上の独身・一人暮らしの方だと、1か月の生活費は平均133,146円ほどです。

夫婦2人の生活費の半分である112,195円より、21,000円ほど多くかかる計算ですね。

老後に必要なお金は夫婦2人なら25年間で6,730万円ほど、独身・一人暮らしなら3,990万円ほどかかりますね!

公的年金で老後に必要なお金をカバーできる?

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結論を言うと、公的年金だけだと老後資金のカバーは難しいです。

また夫婦・独身のいずれのケースでも、公的年金(老齢基礎年金・老齢厚生年金)のうち、老齢基礎年金を受給するときは老後に必要なお金をカバーするのは難しくなります。

では公的年金だと老後に必要なお金をどれほどカバーできるか。具体的に見ていきましょう。

公的年金の平均受給額を見てみよう

厚生労働省の「令和元年度厚生年金保険・国民年金事業の概況」を見ると、公的年金の平均受給額は以下の通りです。

<公的年金の平均受給額>

公的年金の種類月額・年額費用
老齢基礎年金
  • 月額:56,000円
  • 年額:672,000円
老齢厚生年金
  • 月額:146,162円
  • 年額:1,753,944円

(参照ページ:厚生労働省-令和元年度厚生年金保険・国民年金事業の概況

ちなみに老齢厚生年金の受給額は平均で146,162円/月、1,753,944万円/年なのも押さえておきましょう。

なお上記2つの年金のうち「老齢基礎年金」のみ受給している方は、40年間保険料納めていると満額65,075円/月、780,900円/年受給できますよ。

公的年金で老後資金をどれだけカバーできるか

先ほどの老齢基礎年金や老齢厚生年金の点もふまえ、老後資金をどれだけカバーできるか見ていきましょう。

生活費のカバー具合【夫婦2人のとき】

夫婦それぞれでどの年金に入っているかで、世帯収入は変わります。

夫婦で受給する公的年金世帯収入生活費の平均収支状況/月
夫:老齢厚生年金
妻:老齢厚生年金
292,324円224,390円67,934円
(黒字)
夫:老齢基礎年金
妻:老齢基礎年金
202,162円22,228円
(赤字)
夫:老齢厚生年金
妻:老齢基礎年金
112,000円112,390円
(赤字)

上記表の通り、夫婦が共働きでいずれも老齢厚生年金を受けるとき、一か月の生活費は黒字になると考えられますね。

生活費のカバー具合【独身・一人暮らし2人のとき】

受給する公的年金世帯収入生活費の平均収支状況/月
老齢厚生年金146,162円133,146円13,016円
(黒字)
老齢基礎年金56,000円77,146円
(赤字)

上記表の通り、独身や一人暮らしでも老齢厚生年金を受給するなら、生活を黒字で保てる可能性があります。

ただ老齢基礎年金など77,000円ほどの赤字になるかもしれませんので、注意しましょう。

公的年金だけで不安なら私的年金も

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もし上記でご紹介した公的年金だけで不安な場合、私的年金への加入もおすすめします。

公的年金と同じく老後の生活費に充てられますし、種類もさまざま。ご自分に合ったものを選んでみてくださいね。

<主な私的年金>

私的年金の種類詳細
確定給付企業年金企業あるいは企業年金基金が年金の資産運用をし、従業員への給付を約束する年金。
確定拠出年金(DC)加入者および事業主が掛け金を拠出して、加入者の運用成果で将来の年金受取額が決まる年金。自営業をはじめとした厚生年金加入者でない方には、個人タイプのものもある。
厚生年金基金国の実施する老齢厚生年金の一部を代行給付して、そこに上乗せして年金給付をするシステム。
生命保険契約者が保険料を出し合って資金源を作り、万が一の事態(ケガ・死亡・介護・病気など)にその保険料を受け取れるシステム。
個人年金保険公的年金や企業年金などのみでは老後の生活が心配な方が、一定期間中に保険料を納めることで不足分を準備できる年金のこと。
退職金給与所得者が退職する時に、雇用主から退職者に支給されるお金のこと。「退職手当」や「退職慰労金」ともいう。

こうした任意加入のできる、私的年金も活用もおすすめですよ。

老後に必要なお金はいくらあれば安心?

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ではここまでの内容を踏まえて、老後に必要なお金はいくらあれば安心なのか、世帯別で見ていきましょう。

①夫婦共働き世帯

夫婦共働き世帯の場合は、公的年金のみで生活できます。

夫婦それぞれで老齢厚生年金を受給するときの老後25年間で受け取る年金受給額は以下の通りです。

<老後25年間で受け取る年金受給額>

項目受給額
1ヶ月の老齢厚生年金の平均受給額146,162円
夫婦での1年間の年金受給額3,507,888円
→146,162円×2人分×12か月
夫婦での25年間の年金受給額87,697,200円
→3,507,888円×25年分

夫婦での25年間の年金受給額は、87,697,200円ほどになります。

さらに上述の通り、老後に15年間の生活費は67,317,000円です。

ここで年金受給額-生活費の計算をすると「87,697,200円(年金受給額)-67,317,000円(生活費)=20,380,200円

つまり夫婦共働き世帯だと収入が公的年金だけでも、2,038万円ほどの余裕があると算出できるんです。

②.夫が会社員、妻が専業主婦の世帯

夫は老齢厚生年金を受給、妻が老齢基礎年金を受給しているケースを見ていきましょう。

<老後25年間で受け取る年金受給額>

項目受給額
1年間での受給額2,425,944円
→(146,162円+56,000円)×12か月※
25年間の受給額60,648,600円
→2,425,944円×25年

※146,162円は老齢厚生年金の月額、56,000円は老齢基礎年金の月額です

上述の老後25年間で必要な生活費67,317,000円と年金受給額との計算をすると「60,648,600円(年金受給額)-67,317,000円(生活費)=6,668,400円」となります。

つまり夫は老齢厚生年金を受給、妻が老齢基礎年金を受給していても670万円ほどの赤字となり、さらに700万円近くの資金は必要になりますね。

③夫婦ともに自営業

国民年金に加入している、夫婦の自営業の場合のケースを見ていきましょう。なおこのケースだと、受給で可能な公的年金は「老齢基礎年金」のみです。

<老後25年間で受け取る年金受給額>

項目受給額
1年間での受給額1,344,000円
→56,000円×2人分×12か月
25年間の受給額33,600,000円
1,344,000円×25年分

※56,000円は老齢基礎年金の月額です

上述の老後25年間で必要な生活費67,317,000円と年金受給額との計算をすると「33,600,000円-67,317,000円=-33,717,000円」で、かなりの額が必要。

別で3,370万円近くのお金が必要ですね…。

④一人暮らし・独身

一人暮らし・独身の方で国民年金に加入しているケースも見ていきましょう。

<老後25年間で受け取る年金受給額>

項目受給額
老齢厚生年金を受給するとき43,848,600円
→1,753,944円×25年間
老齢基礎年金を受給するとき16,800,000円
→672,000円×25年間

独身・一人暮らしの方にかかる生活費は、25年間で39,943,800円ほど。

上記金額も踏まえて計算すると下記の通りです。

  • 老齢厚生年金を受給するとき:43,848,600円-39,943,800円=3,904,800円(黒字)
  • 老齢基礎年金を受給するとき:16,800,000円-39,943,800円=23,143,800円(赤字)

老齢厚生年金を受給すれば黒字ですが、老齢基礎年金を受給すると2,310万円近くの赤字になりますね…。

老後に必要なお金を貯めるには?

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ではどうやって老後に必要なお金を貯めればいいのか、具体的には以下の通りです。

<老後に必要なお金を貯める方法>

  1. 個人年金保険
  2. iDeCo(個人型確定拠出年金)
  3. つみたてNISA
  4. 財形年金貯蓄
  5. 不動産投資
  6. 投資信託

①個人年金保険

個人年金保険とは「将来に向けた資金を計画的に準備できる保険」のことです。

公的年金あるいは企業年金だけだと老後が心配な場合、そこに充てるものとして活用できます。

なお公的年金は20歳以上60歳未満の人に加入義務があるのに対し、個人年金保険には加入義務がありません。

また個人年金保険は大きく3種類に分けられ、確定年金、有期年金、終身年金があります。

②iDeCo(個人型確定拠出年金)

iDeCo(個人型確定拠出年金)といって、積立で掛け金を拠出・運用し、60歳以降に一時金あるいは年金で受け取るシステムもおすすめです。

掛け金は限度額の範囲で月5,000円以上かつ1,000円単位で始められ、将来の掛け金と運営益との合計で、年金として受け取れます。

なお会社員、自営業、公務員とで、積立の限度額は異なりますよ。

③つみたてNISA

つみたてNISAは2018年1月から始まった、少額投資非課税制度のこと。

20歳以上の方だと誰でも利用でき、長期的な資産形成をしたい投資未経験者・初心者をサポートするための制度なんです。

なお運用して得られた利益が非課税になるため、税金を引かれずに投資できるのが魅力です。

④財形年金貯蓄

財形年金貯蓄は、毎月のお給料から一定額が自動天引きされるシステムのこと。

会社側の協力が必要ですが、より確実に資金積み立てをしやすい点でおすすめです。

⑤不動産投資

不動産投資は、一軒家・マンションなどを購入・貸出することで資産形成を目指すもの。

他の投資方法とは違って生命保険としも利用でき、ローン返済中で死亡すれば残債免除により子孫に完済した不動産を残せます。

⑥投資信託

未経験者でも挑戦しやすい投資方法として、投資信託もおすすめです。

お金のプロに投資金の運用を委ねられますから、都度価格変動をチェックせずとも進められます。

1万円から手軽に始められるものもあって専門家が運用する点から、比較的ローリスクなのも魅力です。

老後資金はいつから準備したほうがいい?

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なるべく早く始めるのに越したことはありませんが、収入見通しの立つ40歳前後が資金準備の目安時期とされています。

できるだけ貯蓄できるときにスタートできれば、万一で余裕がなくなったときになっても負担を軽減できます。

しかし住宅ローンの返済や教育費などでまとまったお金が必要なときは、なかなか貯めにくいもの。

「今は貯蓄が難しい…」なんてときは、生活が落ち着いてから資産形成を再開してもOKですよ。

まとめ~余裕をもって老後に必要なお金を準備しよう~

今回は総務省データをもとに、老後に必要なお金について詳しく解説してきました。

複雑な年金事情が絡んできますが、一つずつ着実に押さえていきましょう。

なお老後に必要なお金を貯めるにあたっては、個人年金保険、iDeCo(個人型確定拠出年金)、つみたてNISA、財形年金貯蓄など、ご自分に合った方法を試してくださいね。