住宅ローンの返済をせずに延滞が続くと、当然ペナルティーを受けます。
ローンの返済が滞ると以下のような措置がとられます。
↓
・ローンの一括返済を求められる
↓
・裁判所からの通知
↓
・所有している不動産が競売にかけられる
今回はローンの返済が滞った場合、どれくらいのタイミングで所有している不動産が競売にかけられるのか、詳しく解説していきます。
競売に関する基本的な知識を知っておきたい人
滞納が続く期間に応じて、どのような手続きで競売がおこなわれるのか知っておきたい人
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住宅ローンの滞納が続いたときの末路
まず、競売の基本的な部分から解説します。
競売
住宅ローンを組んだ際、お金を貸した金融機関は万一ローンが返済されないことを想定して、ローン契約者が保有する不動産に「抵当権」というものを付けます。
抵当権を保有している金融機関は、融資したお金が返済されないとなると、その代償として抵当権を付けた不動産を返済のかわりに没収することができます。
没収…と聞くと、乱暴な言い方になってしまいますが、具体的には裁判所へ正式な手続きをして所有者に代わって不動産を売却し、その売却額で得た金額をローンの返済に充当する流れとなります。
競売のメリット
せっかく新築で購入した一戸建てやマンションのローン返済ができずに競売にかけられる…ということ自体は非常に悲しいことではありますが、競売にはひとつだけメリットがあります。
それは「競売開始決定から落札されるまでの間はローンの返済をしなくてもいい」という点です。
競売の手続きをされる…ということは、すでにローンの分割返済ができずに一括返済を求められているということですので、いまさら金融機関に分割返済をしても受け付けてもらえません。
競売にかかった段階でローンの返済をしても「時すでに遅し」という段階にきていますので、競売手続き期間中はローンの返済はしなくてもよくなるのです。
当然、競売が完了した時点で自宅を失うことになるのですが、競売手続き中の半年~1年間はローンを返済しなくてもいいので、毎月の返済予定額をつぎの賃貸物件の転居費用などに充当することも可能です。
競売のデメリット
一方、競売された場合は数多くのデメリットがあります。
競売のもっとも大きなデメリットは、当たり前の話ですが「住んでいる住居を失う」という点です。
また、一般の不動産売却とはことなり、競売では市場流通価格の6~7割前後の価格で売却されるため、競売されたとしても債務が残ってしまうというデメリットもあります。
さらに、競売にかけられると競売の情報が裁判所などで公告されますので、付近に競売情報が漏れるなど「プライバシーが侵害される」という点も気になるところです。
任意売却
ローンの返済ができない場合には、競売のほかにも「任意売却」という方法で不動産を売却してローンの返済に充てることも可能です。
任意売却のメリット
競売も任意売却も「住んでいる自宅が売却される」という意味では同じです。
ただ、競売は裁判所をとおしてオークション形式で落札されるのに対し、任意売却はローン契約者と金融機関が話し合い、金融機関の承諾を得たうえで「通常の不動産売買」というかたちで売却される流れとなります。
そのため競売されるよりも「売却価格が高い」という点がメリットと言えます。
また、競売のように裁判所に公告されることもありませんので、不動産の所有者本人のプライバシーも守られます。
任意売却のデメリット
一方、任意売却のデメリットは「売却しても残債が残る可能性があるため、金融機関との交渉に時間がかかる」という点があげられます。
任意売却をする場合、金融機関に「残債が残っても抵当権を外してもらう」ということを承諾してもらう必要がありますので、一般的には専門の機関や弁護士に手続きを依頼することになります。
これらの代理交渉をしてもらうには当然手数料もかかってきますし、抵当権を抹消してもらう場合も手数料がかかります。
滞納期間と競売までの流れ
つぎにローン返済が滞りはじめた頃から競売にかけられるまで、どのような手続きがとられるのか詳しく見ていきます。
滞納期間1~3か月
ローンの滞納が発生した当初は金融機関から督促の通知が届いたりするだけですので、それほど厳しい措置はとられません。
ただ滞納して3ヶ月を経過すると、督促状の内容も変わってきて「返済されなければ法的手続きをとります」といった厳しい文言が記載されることになります。
滞納期間3~6か月
さらに滞納が3ヶ月以上続くと、今度は「期限の利益の喪失通知」というものが届きます。
「期限の利益の喪失」とは、簡単に申し上げると「借り入れ額を長期の分割で返済する権利を失う」ということを指します。
つまり、この通知が届いた時点でローン契約者は分割返済ができず、残債を一括返済するしか方法は残されていないことになります。
また、このタイミングまで来るとローン契約時に設定された保証会社が、金融機関に「代位弁済」をします。
代位弁済がおこなわれたあとでも返済義務はローン契約者に残り、今度は保証会社へ返済する義務が発生します。
滞納期間6~8か月
滞納が半年以上続くと、つぎは裁判所から「競売開始決定通知書」が届きます。
これは、保証会社が裁判所に訴えて「ローンの返済がされないので、代わりに自宅を差し押さえて売却しますよ」という意味のことを指します。
ここまで来ると不動産所有者の判断で所有している土地や建物を売却することはできません。
さきほど触れた任意売却についても、この時点で早めに決断しないと競売にかけられることになります。
滞納期間8~10か月
競売の開始決定が届いたあとは、裁判所の執行官と不動産鑑定士などが自宅を訪問し「現況調査」がおこなわれます。
現況調査では自宅の状況や付近の道路などの環境調査がおこなわれ、保有している不動産の価値が確認されます。
滞納期間10~12か月
このタイミングでは「期間入札決定通知書」がとどき、実際に競売がスタートしたことが知らされます。
この通知がきた段階では、自宅はすでに競売にかけられていますので、落札者が出れば保有している不動産は売却されることになります。
競売されないための対処法
上記のとおりローンの返済が滞ると競売で自宅を失う…という最悪の結末を迎えるわけですが、競売されないようにするいくつかの対処法があります。
任意売却にはタイミングが重要
ひとつ目は、さきほども触れた金融機関の承諾を得て「任意売却する」という方法です。
ただ任意売却をするためには、タイミングに注意する必要があります。
さきほどの「手続きの流れ」でお伝えした「期間入札決定通知書」が届いた段階では、すでに競売にかけられていますので、金融機関の承諾を得られるケースはほぼありません。
したがって、任意売却をするためには少なくとも滞納3ヶ月程度で「これ以上返済ができない」と判断した時点で早急に手続きを開始することが必要です。
競売される前に名義変更は可能か?
よく「競売にかけられる前に不動産所有者とは異なる名義に変更してしまえばいいのでは?」と思う方がいますが、実際にはそう簡単にはいきません。
たとえ所有者名義を変更しても「抵当権が外れるわけではない」というのが、その理由です。
また名義変更をした場合、登記費用や不動産所得税、さらには贈与税などもかかりますので、負担する諸費用も多く、現実的ではありません。
滞納しそうになったら早めの相談を!
不動産の競売は正直申し上げてデメリットしかありません。
たしかにローンの返済が難しくなると、途方に暮れてしまい「競売されるのを見守るしかない…」という事態になるのはわかります。
ただ、滞納初期段階ではローンの返済相談をしたり、任意売却を検討するなど競売を避ける対策はいくらでもあります。
以下にローン延滞時のいくつかの相談先を掲載していますので、参考にしていただければと思います。