今回ご紹介するのは、信金からおかねを借りる前に知っておきたいことです。
ローンの種類から申し込み方法、信用金庫以外の金融機関とその違いについてなど、徹底的に解説します。
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おかねを借りるということ
あなたがおかねを借りるのはどういう時ですか?
家を買う時、車を買う時、結婚式をする時……様々な場面でお金が必要になる場面があります。
ビジネスであれば、創業・経営時におかねを借りる必要に迫られるでしょう。
おかねを借りるメリットは、必要な時に必要なモノが手に入ることです。
家を買うためにお金が貯まるまで我慢して、いざ貯まった時にはもう定年を過ぎている、なんてことが起きかねません。
そういった方たちのために、消費者金融や銀行、信用金庫といった機関がおかねを貸してくれる、融資してくれるのです。
信用金庫とは
今回は、おかねを借りられる機関の中でも、信用金庫について解説します。
街を歩いていて、「○○信用金庫」といった看板を目にしたことがあるかと思います。
では、信用金庫とはいったい何なのでしょう?
『一般社団法人全国信用金庫協会』のHPには、下記のように記されています。
〈信用金庫は、中小企業や地域住民のための協同組織による地域金融機関です。〉
【地域社会繁栄への奉仕】
【中小企業の健全な発展】
【豊かな国民生活の実現】
この上記三つを目的とした地域に根差す金融機関、それが信用金庫なのです。
銀行との違い
銀行と信用金庫の違いはどこにあるのでしょうか。
おかねを預けられたり、ローンが組めたり、基本的に違いはほぼないといえます。
異なるのは、“経営理念”と“業務範囲の広さ”です。
異なるのは目的と取引相手
銀行は株式会社・営利法人であり、株主の利益を上げることが目的です。
また、業務範囲に制限がなく、大企業などと関係を結び全国展開をしています。
一方信用金庫は共同組織・非営利法人であり、地域への貢献が目的です。
業務範囲は地域に限定されており、利益を上げることが主目的ではありません。
取引相手は地元の中小企業や個人がメインであり、大企業と関係を結ぶことはできないのです。
信用金庫を利用するなら原則会員にならなければならない
銀行では、口座を持っていなくてもおかねを借りられる場合があるものの、信用金庫では原則会員にならないとおかねを借りることはできません。
会員になるためには出資金を出す必要がありますが、配当金も出ますし、退会時には戻ってくるので安心です。
出資金は1万円以上と定めている信用金庫が多いので、大きな負担にはなりにくいといえるでしょう。
信用組合との違い
銀行、信用金庫のほかにも、信用組合というものがあります。
信用金庫と信用組合、名前はよく似ていますが、同じ組織ではないので注意が必要です。
業務内容自体はほとんど同じですが、根拠としている法律が違います。
信用金庫は“信用金庫法”を元にしており、信用組合は“中小企業等協同組合法”“
協同組合による金融事業に関する法律(協金法)”を元にしています。
また、地域単位のみの信用金庫と違い、信用組合はさらに3つの単位が存在します。
地域・業域・職域の3単位です。
より小規模で、領域が分けられているのが信用組合です。
三つを比べてみよう
信用金庫・銀行・信用組合の違いをわかりやすく表でまとめてみました。
信用金庫 | 銀行 | 信用組合 | |
---|---|---|---|
根拠法 | 信用金庫法 | 銀行法 | 中小企業等協同組合法 協同組合による金融事業に関する法律(協金法) |
目的 | 国民大衆のために金融の円滑を図り、その貯蓄の増強に資する | 国民経済の健全な発展に資する | 組合員の相互扶助を目的とし、組合員の経済的地位の向上を図る |
組織形態 | 会員の出資による協同組織 非営利法人 | 株式会社組織 営利法人 | 組合員の出資による協同組織 非営利法人 |
会員資格 | (地区内において)
【事業者の場合】
| なし | (地区内において)
【事業者の場合】
|
業務範囲 | 預金は制限なし 融資は原則として会員を対象 | 制限なし | 預金は原則として組合員を対象 融資は原則として組合員を対象 |
それぞれ異なる点があるので、どの金融機関を利用するかよく考えるようにしてくださいね。
信用金庫で利用できるローン【個人編】
信用金庫でローンを利用したい場合、様々な種類のローンから選び取ることができます。
- 住宅ローン
- リフォームローン
- マイカーローン
- 教育ローン
- フリーローン
- カードローン
- リバースモーゲージ
信用金庫によっても提供しているローンは異なりますが、一つずつ詳しくみてみましょう。
住宅ローン
住宅の購入はもちろん、増改築や借り換えなどの際に利用できるローンです。
住宅を担保にするかしないかによって、借りられる金額や金利が変わってきます。
固定金利であるのが魅力な、フラット35を提供している信用金庫もあるので、多種多様な仕組みから選ぶことができます。
リフォームローン
信用金庫の中には、住宅ローンの中でもよりリフォームに特化してたローンを用意しているところもあります。
増改築や耐震補強、リフォームに合わせたインテリア・家電の購入にも使うことができます。
マイカーローン
自動車やバイクの購入、車検修理費用や免許取得費用、に利用できるローンです。
他にも、船舶の購入に使うことができるケースもあるという幅広ぶり。
エコカーを購入する場合には金利優遇有、という信用金庫もあります。
教育ローン
子供の入学金や授業料、受験費用などに使えるローンです。
留学費や下宿代などにも利用することが可能な場合もあります。
長期の融資を行ってくれる信用金庫が多く、子供の数によっては金利が優遇されることも。
フリーローン
名前の通り、使い道が自由なローンです。(事業資金は除く)
海外旅行や結婚式の費用、出産や介護福祉費用など様々な用途に利用できます。
まとまった資金が必要な場面で活躍するローンです。
カードローン
事前にカードを作っておくことで、急にお金が必要になった時にすぐにお金を借りられるローンです。
使用用途は自由、融資額もかなり幅広く、主婦や学生でも利用することができます。
その分、金利も幅広くなっているので要注意です。
リバースモーゲージ
リバースモーゲージとは、自宅を担保にして、住み続けながらお金を融資してもらえるシニア向けの制度です。
死亡後に自宅を売却することで、融資分のお金を返済します。
先にまとまったお金を借りて家を手にする住宅ローンに対して、徐々にお金を借りて最後に家を手放す仕組みから、リバース(逆)モーゲージという名前が付けられています。
信用金庫によっては、リバースモーゲージを利用することができます。
他にも目的別のローンがある
信用金庫にある様々なローン。
他にも用途別に分けられたローンが存在しています。
- シルバーライフローン
- 合格ローン
- 節電ローン
- ブライダルローン
- 女性専用住宅ローン
自分が利用できる信用金庫にはどんなローンがあるのか。
きちんと調べておきましょう。
信用金庫で利用できるローン【法人・事業主編】
個人で利用するローンは、基本的に事業用としては利用することができません。
法人や個人事業主専用のローンが用意されているので、そちらを活用しましょう。
ビジネスローン
多種多様なビジネスローンが提供されています。
低金利かつ多額の借り入れをできるのが特徴です。
省エネや新エネルギーのための設備投資に利用できるビジネスローンもあります。
創業支援ローン
新規開業する法人・個人事業主を対象としたローンです。
創業のための計画書や開業準備などをサポートしてくれる信用金庫もあるので、事業を始めたい方の
強い味方になってくれます。
アパートローン
アパートの新築や、増改築に利用できるローンです。
自分が住む以外の目的でアパートを購入したりする場合に使うことができます。
他にも職業別に特化したローンが存在する
農業に特化したローンや、保育施設・介護施設向けのローンも存在します。
地域に根差した信用金庫こそ、手厚いフォローなどが受けられます。
中小企業など小規模の会社であれば、信用金庫と良い関係を築くのはかなりのメリットになるでしょう。
信用金庫でおかねを借りる方法
信用金庫からお金を借りるには、まず会員にならなければなりません。
会員になってローンを利用するには、いくつか条件があります。
- 信用金庫の営業範囲内に住んでいるまたは勤務している
- 20歳以上
- 収入が安定している
法人や個人事業主の方が利用する場合、これに加えて
「従業員300人以下または資本金9億円以下」
という条件も含まれます。
その他、ローンによってさまざまな条件が付与されます。
申し込む方法は店頭・郵送・WEBなど
ローンを申し込む方法は、いくつかあります。
店頭窓口から直接申し込んだり、郵送やWEBを活用することもできます。
申し込みの流れ
ローンの種類にもよりますが、基本的には以下の流れで申し込みます。
- 申し込み
- 審査
- 審査結果の連絡
- 必要書類の提出
- 契約内容の確認
- 融資開始
WEBですべて完結する場合もあるので、気軽に申し込むことができます。
不安な方は、相談も含めて直接店頭に行くのが良いでしょう。
必要な書類
本人確認書類として、
- 運転免許証
- パスポート
- 健康保険証
- 顔写真付きの公的証明書
収入証明書類として、
- 源泉徴収票
- 確定申告書
- 課税証明書
等が必要です。
他にも
- 住民票
- 印鑑証明書
のほか、事業用であったり、ローンによってはさらに追加で書類が必要です。
その都度確認し、用意しましょう。
これらに加えて、借入申込書を提出することで、申し込みとなります。
審査に通るためには
必要書類を提出し、見事審査に通れば融資を受けることができます。
ですが、審査に落ちてしまえばそこで終わり。
審査に落ちないためにも、以下の点に気を付けましょう。
安定した収入があるか
年収や勤続年数などで判断されます。
転職直後は勤続年数が0となり、審査に通りづらくなってしまうので要注意です。
無理のないプランか
年収に対して、借入額が高いと審査も厳しくなります。
「この人はきちんと返済してくれる」という安心がなければ、融資を受けることはできません。
信用情報に傷がないか
審査の際、個人の信用情報を見られます。
信用情報には、本人の年収・勤務先・住宅情報・ローン等の支払い状況などが含まれています。
過去に支払いの遅延などの金融トラブルがある場合、信用情報に傷があるとみなされ、融資を受けられない可能性があります。
信用情報の傷は、基本的には5年ほど経てば抹消されるのでそれまで待つようにしましょう。
他でもおかねを借りていないか
他社で多額のおかねを借りていたり、5社以上からおかねを借りていると、審査で不利になってしまいます。
これ以上の貸してしまうと返済が困難だと警戒されないよう、他社のローン等は返済してから利用しましょう。
信用金庫でおかねを借りるメリット・デメリットは?
信用金庫からおかねを借りるメリット・デメリットについて解説します。
メリット①消費者金融より低金利
消費者金融と比べれば、金利は低いといえます。
利益が主目的ではなく、地域への貢献が目的だからです。
メリット②貸しはがしのリスクが低い
銀行の場合、景気が悪くなったりすると、融資分を積極的に回収します。
いわゆる、貸しはがしです。
信用金庫であれば、融資を断ったり返済を迫ることなく、長い目で対応してくれます。
メリット③小規模でも相手をしてくれる
信用金庫は利益を重要視していないので、どんなことでも親身に相談に乗ってくれます。
個人や中小企業でも、積極的に融資をするのが信用金庫です。
銀行などから融資してもらえなかったとしても、諦めずに信用金庫を頼れます。
続いて、デメリットを紹介します。
デメリット①銀行と比べると金利が高い
信用金庫が扱う融資は、銀行と比べると少額です。
そのため数をこなさなければ利益を出すことができず、結果銀行よりも金利を上げることで、その差分を相殺する必要があるのです。
デメリット②借りれる額が多くはない
小規模な事業を相手にするため、融資額の上限がそれほど高くありません。
高額の融資を希望するなら、銀行のほうが良い可能性があります。
デメリット③対象地域が限られる
地域に根差すからこそ、対象が限られてしまうというデメリットがあります。
おかねを借りたい信用金庫を見つけても、対象地域に自分が入っていなければ利用できません。
また、転勤や引っ越しが多い方にもあまり向いていません。
デメリット④手続きに時間がかかる
消費者金融や銀行では、即日融資などが可能な場合もありますが、信用金庫では難しいのが現状です。
様々な手続きを踏まなければならないので、すぐにおかねを借りることができません。
信用金庫以外にもおかねを借りる方法はある
信用金庫には、メリットもデメリットもあります。
場合によっては、ほかの機関を利用したほうが良いかもしれません。
信用金庫以外で、おかねを借りられる機関を紹介します。
銀行
銀行は低金利かつ高額融資にも対応しています。
ですが、審査が厳しいという特徴があります。
自分のステータスに自信がある方なら、申し込むのがおすすめです。
日本政策金融公庫
民間ではなく国が運営する金融機関であり、一般の金融機関を補完するという立ち位置になっています。
融資を受けづらい中小企業などをサポートするのが目的で、創業者に対して積極的に融資を行っています。
新しく事業を始めたいがなかなか審査に通らない、という方におすすめです。
消費者金融
審査のハードルが低く、融資のスピードが速いのが特徴です。
借りられる金額は、総量規制により年収の1/3までとなっています。
今すぐにおかねが必要な方に最適の金融機関です。
信用組合
信用銀行とよく似通っていますが、より小規模に特化しているのが信用組合です。
近くにあり、利用するメリットがある場合にはおすすめです。
信金でおかねを借りるのに向いているのはどんな人?
信用金庫からおかねを借りるのに向いている人は、小規模事業者です。
銀行からは融資がされず、けど少しでも金利を抑えたい人にうってつけの金融機関が信用金庫です。
同じ地域に長く住む方にもおすすめです。
地域密着型の金融機関だからこそ、手厚いサポートをしてもらえます。
おわりに
信用金庫でおかねを借りるのであれば、事前に調べておくことが重要です。
そもそも利用できる地域に自分が該当するか、魅力を感じるローンを提供しているか。
自分に合ったローンを、計画的に利用してくださいね。