生活費に困ったら公的支援制度で借りられるのか?

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「生活が苦しい!」
「生活費に困っている…」

そのような状況に陥ってしまった場合には、公的支援制度でお金を借りられることを知っていますか?

公的資金を借りるための条件や公的資金貸付制度内容、申請窓口について知っておけば、いざというときに必ず役に立ちますよ。

公的資金の貸付制度について一緒に考えてみましょう。

生活費に困ったら公的支援制度で借入可能

近年、病気やケガ、失業などをきっかけに、自立した生活を維持できなくなってしまう人が急増しています。

いったん何かのきっかけで経済的に行きづまってしまうと、個人の努力や責任だけではなかなか解決できません。

もし、生活費に困ってしまった場合には、公的支援制度を利用して公的資金を借りましょう。

日本の社会保障制度は、自分で申請しなければ制度を利用できないにもかかわらず、制度の存在自体があまり周知されていません。

そのため、公的資金によるサポートを得られれば自立を図れるはずの多くの人が、取り残されそうになっています。

生活費に困ってしまった場合に借りられる公的資金は色々ありますので、まずはそうした制度があることだけでも知っておくべきでしょう。

生活費に困ったときに利用できる公的支援制度

生活費に困った場合に借りられる公的資金にはどのようなものがあるのでしょうか?
また、そうした公的資金はどういった使途に利用できるのでしょうか?

公的支援制度で借りるなら!生活福祉資金貸付制度

公的資金によるサポートを受けられればなんとか自立ができそうという場合には、生活福祉資金貸付制度を利用してみてはどうでしょうか?
生活福祉資金貸付制度では、4種類の公的資金を借りられます。

資金の種類貸付内容
総合支援資金生活支援費
住宅入居費
一時生活再建費
福祉資金福祉費
緊急小口資金
教育支援資金教育支援費
就学支度金
不動産担保型生活資金不動産担保型生活資金
要保護世帯向け不動産担保型生活資金

生活福祉資金貸付制度を利用できるのは、

  • 低所得世帯
  • 障害者世帯
  • 高齢者世帯

で、それぞれの世帯の状況や必要に応じた資金を無利子、または低金利で借りられます。

生活福祉金貸付制度の申請は各市町村の福祉課、社会福祉事務所で受け付けています。

詳細はこちら→生活福祉資金貸付制度とは?どうすれば借りられるの?

母子父子寡婦福祉資金貸付金制度も利用できる

母子父子寡婦福祉資金貸付制度は、生活が困窮しているシングルマザーやシングルファザー、また配偶者のいない元シングルマザーなど、ひとり親世帯が利用できる公的資金貸付制度です。

母子父子寡婦福祉資金はひとり親世帯のための奨学金、というイメージを持っている人が多いですが、子供の就学費用以外の様々な目的で公的資金を無利子、または低金利で借りられます。

母子父子寡婦福祉資金貸付制度を利用して公的資金を借りたい場合は、市区町村役場の福祉課、社会福祉事務所に申請をします。

母子父子寡婦福祉資金貸付制度で借りられる公的資金は多岐に渡る!

母子父子寡婦福祉資金貸付制度で借りられる資金は12種類あります。

資金の種類貸付内容
事業開始資金事業開始に必要な設備等の購入資金
事業継続資金現在の事業継続に必要な運転資金
修学資金高校、大学、高等専門学校などへの就学資金
技能習得資金就職などに必要な知識習得のための資金(親が対象)
修行資金就職などに必要な知識習得のための資金(子が対象)
就職支度資金就職活動に必要な服や靴、通勤用自動車を購入する資金
医療介護資金医療や介護を受けるために必要な資金
生活資金失業中、技能習得中の生活を安定させるのに必要な生活資金
住宅資金住宅の購入や増改築に必要な資金
転宅資金住宅移転のため住宅賃借に必要な資金
就学支度資金制服などの購入資金
結婚資金母子家庭または父子家庭の子の結婚に必要な資金

借りられる資金や金額の上限は各都道府県によって異なりますので、詳しくは地域の福祉相談窓口に問い合わせをしてください。

年金担保貸付制度を利用して公的資金を借りる

年金を受給しているのだけど、まとまった資金が捻出できず困っているという場合には、年金担保貸付制度を利用して公的資金を借りるという方法もあります。

高齢者は、民間の金融機関からはなかなか融資を受けることができません。

しかし、年金担保貸付制度を利用すれば、国から支給される年金受給する権利を担保にして、低金利で公的資金を借りられます。

ただし、現在受給している年金の種類によって、年金担保貸付制度を利用できる事業機関が異なりますので注意が必要です。

事業機関名 受給している年金の種類
日本政策金融公庫(JFC) 恩給、災害補償年金、共済年金、共済組合が支給する厚生年金
福祉医療機構(WAM) 厚生年金、国民年金、船員保険年金、労災年金

年金担保貸付制度を利用する場合は、年金の受け取り口座がある金融機関で申し込みをしましょう。

年金担保貸付制度で借りたお金はこんなことに使える!

資金使途具体的な内容
保健・医療診療費・入院費・手術費・通院入院等にかかる移動費

など

介護・福祉介護施設の利用費用・介護福祉用具の購入費用など
住宅改修等改修工事または増改築工事・引っ越し費用など
教育入学金・授業料(毎月払いのものは対象外)・受験にかかる費用・生涯学習経費など
冠婚葬祭冠婚葬祭にかかる費用、墓地墓石等の購入費など
事業維持事業の運転資金・事業用設備や備品の購入、維持費など
債務等の一括整理消費者金融などの返済・滞納税金、滞納社会保険料の納付など
生活必需物品の購入自動車の購入費・家具、家電製品の購入費など

年金担保貸付制度で借り入れた公的資金の使い道はかなり広く認められており、借金の返済や滞納している税機などの納付に充てても問題ありません。

しかし、実はこの制度、2022年3月末で受付を終了する予定なのです。

その後は、代替制度として生活福祉資金貸付制度を利用する方向で調整が進められています。

公的支援制度を利用する手順

社会保障の分野では長い間「高齢者」「障害者」「低所得者」などの部門に分けて支援を行ってきましたが、最近では、相談の窓口を1つにして、そこからどうしていけばいいかを考えていくという方法をとる方向へと変化してきています。

公的支援制度で借りて自立したい!~生活困窮者自立支援制度

2015年、生活困窮者自立支援制度がスタートしました。

生活費がなくて本当に困っているけれども、公的資金でサポートを受けながら何とか働いて自立したいという人のための制度です。

  • 生活費がなくて困っている
  • 公的資金を借りたい

という場合は、生活困窮者自立支援制度の自立相談支援事業の窓口になっている各市区町村の福祉課や社会福祉事務所などに相談しましょう。

生活を立て直すために、

  • 住宅確保給付金
  • 臨時特例つなぎ資金
  • 自立相談支援事業
  • 就労準備支援事業
  • 家計相談支援事業

などの、様々な公的資金によるサポートを受けられます。

生活保護

  • 自立したい気持ちは持っているのだけれども病気や怪我で働けない
  • 頼れる身内もいない
  • 生活費に困っており、このままでは生きていけない

そのような場合は生活保護の申請も視野に入れましょう。

生活保護の受給は国民の権利です。

最低限の生活を送ることができない場合には、迷わず社会福祉事務所に生活保護の申請をしてください。

参考:生活保護費って実際どれくらいもらえるの?受給条件は?

公的支援制度まとめ

今回ご紹介した公的資金の貸付制度は、借り入れ条件があるため誰でも利用できるわけではありません。

しかし本当に生活費に困ってしまった場合にはきっと頼もしい味方になってくれるはずです。

万一、生活費に困るような状況に立たされてしまった場合には、こうした公的資金を活用して生活を立て直すこともできることを思い出してください。