消費者金融、といえばお金を貸してくれる業者だということは多くの人が知っていると思いますが、サラ金や闇金となると、消費者金融と何がどのように違うのか疑問に思う人もいるでしょう。
「消費者金融とは?」
「どこからが闇金なの?」
この記事では、合法な業者と違法な業者との違いや見分け方を徹底解説します!
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消費者金融、サラ金、闇金、それぞれの違いとは?
消費者金融・サラ金・闇金…
これらの違いについてあなたは説明できますか?
覚えておきたい各業者の類似点や相違点、しっかり見ていきましょう。
消費者金融
消費者金融とは、主に個人を対象として小口融資を行う業者を指します。
消費者金融に対するイメージ
融資に際して担保や保証人は不要、利用者の信用のみで融資を受けることができるのが消費者金融の大きなメリットです。
消費者金融に対しては多くの人が、
- 返済できないと怖い人が取り立てに来る
- 危ないので絶対に借りてはいけない
- 高い金利で返済が困難になる
など、まだまだ良くないイメージを抱いています。
しかし、実際の消費者金融はイメージとはまったく逆で、特に大手消費者金融は安心してお金を借りることができる優良業者なのです。
消費者金融の特徴
そんな消費者金融ですが、どのような特徴があるのかまとめてみました。
【消費者金融の特徴】
- 銀行カードローンと比べて金利が高い
- 業務内容が貸金業に特化されており、即日融資はじめとするさまざまなサービスが非常に充実している 法律
- に従って貸金業務を行っている
消費者金融の根拠法である改正貸金業法は2010年に完全施行されており、総量規制やグレーゾーン金利の解消などの重要なルールもその時に盛り込まれました。
従来の法律が抜本的に改正され新しい貸金業法に生まれ変わったことで、利用者が安心して消費者金融を利用できるようになったのです。
サラ金
サラ金とは「サラリーマン金融」の略称です。
サラ金と聞くと、厳しい取り立てを行う恐ろしい貸金業者をイメージしてしまいがちですが、サラ金というのは消費者金融の昔の呼び名です。
つまりサラ金=消費者金融ということなのですね。
ただ、昔のサラ金と現在の消費者金融とでは取り巻く環境に大きな違いがあることを知っておくべきでしょう。
サラ金にマイナスのイメージがつきまとうのは、高い金利で過剰融資を行い、返済できなくなった人に対して過酷な取り立てを行ってきたという過去の事実が大きく影響しています。
当時は、今の貸金業法とはまったく異なりグレーゾーン金利やみなし弁済なども規制されていませんでした。
法規制が緩かったことがそのような状況を許容してきた部分はありますが、当時のサラ金は法律にのっとって営業をしており、明らかな違法点もなかったのです。
2010年に貸金業法は改正されて、サラ金は現在の消費者金融へと変化します。
闇金
サラ金と闇金を混同する人も多いですが、両者には大きな違いがあります。
サラ金は、貸金業者として法律に従って営業をしている正規の貸金業者ですが、闇金は国や都道府県に貸金業としての登録をしておらず、法律を無視した営業を行っている違法な業者です。
「ブラックでも確実融資」「審査なしでカンタンOK」など、誰でも借りられることをうたい文句に近づいてきます。
闇金は、ただ法外な高利で融資を行うだけではありません。
法律で決められたルールなど全く関係ないのが闇金ですから、貸金業法に反する違法な取り立ては当たり前です。
ちなみに、闇金業者から借りたお金は返済する必要はありませんし、闇金業者に返済したお金は全額返還請求が可能です。
ただし、闇金は犯罪組織ですから、そのようなことが相手に通用するかといわれればなんとも答えに窮してしまいます。
しかし、だからこそ闇金には近づいてはいけないのです。
→サラ金とは?即日融資に対応している借りやすいサラ金はどこ?
サラ金から消費者金融へ!しくみや取り立てはどう変化した?
サラ金は、消費者金融へと名称を変えたわけですが、変わったのは名称だけだったのでしょうか?営業手法や取り立てはどう変化したのでしょうか?
昔のサラ金は今の消費者金融とはしくみが異なっていた
サラ金時代は、法律自体に不備があったために多くの多重債務者を生み出すことになってしまいました。
しかし、当時はそれが適法であったため、「借りる方が悪い」という風潮もあったのですね。
消費者金融の利息を決める2つの法律
消費者金融からの借金の利息を定める法律は、
- 利息制限法
- 出資法
の2つがあります。
【利息制限法の上限金利】
借入金額 | 上限金利 |
---|---|
10万円未満 | 20.0% |
10万円以上100万円未満 | 18.0% |
100万円以上 | 15.0% |
【出資法の上限金利の変遷】
~1983年10月30日 | 年109.5% |
1983年11月1日~1986年10月30日 | 年73.0% |
1986年11月1日~1991年10月30日 | 年54.75% |
1991年11月1日~2000年5月31日 | 年40.004% |
2000年6月1日~2010年6月17日 | 年29.2% |
2010年6月18日~ | 年20.0% |
現在は利息制限法、出資法ともに上限金利は20.0%に決められています。
グレーゾーン金利
しかし、2010年6月までは、出資法の上限金利は29.2%に設定されていました。
どちらも消費者金融の利息を定める法律であるはずなのに、
- 利息制限法の上限金利は20.0%
- 出資法の上限金利は29.2%
と、両者の上限金利が異なっていたのです。
しかも、出資法には違反すれば厳しい罰則がありましたが、利息制限法には違反した場合の罰則規定もありませんでしたので、利息制限法に反した違法な金利であるにも関わらず、罰則規定もないというあいまいな金利帯(20.0%~29.2%)が存在していたのです。
これをグレーゾーン金利といいます。
多くのサラ金業者は、罰則規定のない利息制限法を無視して、出資法の上限金利で融資をしていたのですね。
みなし弁済
本来、利息制限法の上限を超える利息が支払われた場合は、上限金利を過した部分については無効になります。
ところが、以前は、一定の条件を満たせば利息制限法の上限を超えた支払であっても有効な支払いだと認められていました。
それがみなし弁済です。
- お金を貸したのが国や都道府県に登録された消費者金融であること
- 融資の際に契約書を交付していること
- 消費者金融の利用者が利息と認識して支払いをしていること
- 消費者金融の利用者の任意で利息が支払われていること
- 消費者金融側がが弁済のたびに受取証書を交付していること
という要件を満たしていれば、消費者金融の利用者が、利息制限法の上限を超えた利息の支払いをしてもそれを有効だと認めていました。
つまり、利用者が自分から利息を余分に支払ったのであれば、消費者金融側は利息として受け取っても問題ないということにしたのです。
みなし弁済の問題点
みなし弁済の規定は、消費者金融の利用者にとっては大変理不尽で不利な規定でした。
消費者金融の利用者は、請求されている利息が不当なものであるかどうかを確認することが困難ですし、たとえ違法な利息だと認識していたとしても、立場上それを消費者金融側に抗議することなんてなかなかできるはずもないからです。
みなし弁済の規定は、消費者金融の利用者の利益を守るはずの利息制限法を全く無視したもので、逆にグレーゾーン金利を助長する原因を作り出していたのですね。
2010年、貸金業法が改正された際にみなし弁済は完全に撤廃されました。
消費者金融は貸金業法改正で大きく変化した!
貸金業法の改正によって消費者金融業界は、まさに激動の時代に突入していきます。
サラ金業者から消費者金融へ
サラ金地獄という言葉が社会問題となっていた頃から比べれば、出資法の上限金利は段階的にかなり引き下げられていましたが、それでも貸金業法の改正前の上限金利は29.2%と相変わらず高い水準のままでした。
ところが、消費者金融を取り巻く環境が大きく変化したことで、消費者金融の利用者は大幅に増加します。
- 1990年代のバブル崩壊以降の景気停滞によって消費者金融の利用者が増えた
- サラ金地獄が社会問題化したことでサラ金から消費者金融へと名称を変更した
- 消費者金融のイメージアップのためにタレントを起用したコマーシャルを多く流した
- 大手消費者金融が無人契約機を設置するようになった
しかし、グレーゾーン金利やみなし金利が放置されている状態のもとでは、消費者金融の利用者の増加は、そのまま多重債務者や債務整理者の増加に直結しただけでした。
多重債務者の増加が大きな社会問題になってようやく貸金業法の抜本的な見直しが進められたのです。
消費者金融は改正貸金業法でこう変わった
新しくなった改正貸金業法では、以下の3点が大きく変わりました。
【総量規制の導入】
総量規制が導入されたことで、借りすぎを防ぐことができるようになりました。
- 借入総額を年収の3分の1までに制限する
- 借入の際に年収を証明する書類を提出する
【上限金利の引き下げ】
利用者が安心してできる適正な金利に見直され、みなし弁済も完全に廃止されました。
- 出資法の上限金利を29.2%から20.0%に引き下げる
- みなし弁済の撤廃
【貸金業者に対する規制の強化】
貸金業法に違反した業者は厳しい行政処分の対象となります。
危ない消費者金融はある?おすすめの消費者金融はどう見分ければいい?
大手消費者金融以外の業者は名前を見ただけではどんな業者なのか分かりづらいですよね。
そこで、危ない消費者金融、おすすめの消費者金融の見分け方について見ていきたいと思います。
大手消費者金融や知名度の高い消費者金融なら安心
消費者金融からお金を借りるなら、まずは大手消費者金融を利用することを検討してみましょう。
大手消費者金融の多くはメガバンクのグループ企業となっていますので、安心して利用できます。
また、中小消費者金融でも知名度の高い業者ならまず問題はないでしょう。
大手消費者金融や知名度の高い消費者金融は、サラ金時代の過払い金問題もしっかり克服してきた業者ばかりですから、利用者からの信頼も厚く、経営能力も非常に高いといえるからです。
危ない消費者金融も存在します!
消費者金融だと思っていても、実は貸金業者として正規に登録されていない業者だというケースもあります。
そうした業者は、正規に登録されている中小消費者金融と区別がつきにくいので注意しなければなりません。
危険な業者を見分けるには以下のことを必ず確認してください。
登録貸金業者であるかを必ず確認する
正規の消費者金融は国や都道府県に貸金業者として登録をしていますので、消費者金融を利用する際には必ず登録業者であることを確認しましょう。
正規の消費者金融は法律にのっとってお金を貸してくれますから、安心して利用できます。
金利が適正であるかを確認する
出資法の上限金利である20.0%を超える金利で融資している消費者金融は違法業者です。
消費者金融を利用する際は、借入金額に対してどのくらいの金利が適用されているかを必ず確認しましょう。
利息制限法に従って金利が適用されているか、までという点まできちんとチェックすることです。
消費者金融の住所、電話番号を確認する
正規の消費者金融は、所在地の都道府県知事の登録を受けなければなりません。
従って、所在地が不明な消費者金融は違法な業者だといえます。
また、消費者金融業者は固定電話の番号も登録しなければなりませんが、違法業者は固定電話を登録せず、携帯電話番号のみで営業しているので、利用する消費者金融の住所、電話番号はシッカリ確認しましょう。
闇金だけには絶対近づいてはダメ!その手口としくみとは…
どんなにお金に困っても、 どんなにお金を借りたいと思っても闇金にだけは絶対に近づかないでください。
必ず悲しい思いをすることになってしまいます。
闇金業者はこうして近づいてくる!
お金が必要なのにどうしてもお金がない。
そんな状況に陥ってしまうと、たとえ闇金であってもこの急場をしのぐことさえできれば…という思いでお金を借りてしまいがちです。
しかし闇金でお金を借りれば人生は破滅してしまいます。
どのようにして闇金が近づいてきても決して手を出してはいけません。
闇金はインターネットや雑誌などに広告を出す、電柱などにチラシを貼るなどして集客しています。
また、同業者から多重債務者の名簿を入手し、手当たり次第に FAX やメールで勧誘します。
カモフラージュのため、銀行や大手消費者金融によく似た名前で営業している場合もありますが、実在の銀行や大手消費者金融とは全く関係がありませんので、だまされてはいけません。
問い合わせるだけのつもりで連絡をすると、住所や電話番号、勤務先などの情報を請求されますが、情報を提供してしまうとそれを悪用しますので注意しなければなりません。
闇金に引っ掛かりやすいのはこんな人!
闇金に手を出してしまいやすいのは、
- 多重債務者
- 債務整理者(ブラックリスト登録者)
- 専業主婦など無職の人
です。
お金を借りたいけど、銀行カードローンや大手消費者金融からは借りられないという人は闇金に引っかかりやすい傾向にあります。
信用情報に問題がある、あるいは無職なのに、審査もなしにその場ですぐ貸してくれる業者などないのです。
借りられる!と喜ぶ前に、冷静になってもう一度よく考えてみましょう。
これが闇金の手口!絶対に引っ掛からないで…
闇金の目的はただ一つ、利用者からとことんお金を巻き上げることです。
ですから、
- 借金を完済させない
- 無理やり融資をする
- 借りてもいないのに回収作業に入る
- 年金を担保にさせる
など、想像もつかないような方法で利用者に借金を負わせます。
返済できなければ、嫌がらせがどんどんエスカレートしていきますが、その方法は昔のサラ金以上、利用者を精神的にとことんまで追い詰めていくのです。
- 昼夜問わず何十回も電話をかける
- 利用者本人だけではなく家族や勤務先の嫌がらせの電話をかける
- 自宅周辺に張り紙などをする
- 自宅に押しかけてくる
貸金業法で禁止されている違法な取り立てなど平気で行います。
こんな思いをするくらいなら、闇金など利用したりせず債務整理をする方がよほど建設的です。
どうか、闇金だけは絶対に利用しないでください!
おわりに
最後までこの記事を読んだあなたは、きっとお金を借りる相手を間違えるようなことはないでしょう。
とはいえ、お金を借りるにあたって何かトラブルが発生した場合には、できるだけ早い段階で弁護士などの専門家に相談をしましょう。
お金の問題は、一刻も早い相談が解決への第一歩となるのです。