生活福祉資金貸付制度とは?借入方法を解説します

生活福祉資金貸付制度とは
ライフ

景気がなかなか回復しないために、失業や年収などで生活に困る人が増えています。

「今この苦しい時期を乗り越えられれば生活を立て直すことができるのに…」
そんな場合は、生活福祉資金貸付制度に申し込みをしてみるのも一つの方法です。

審査が厳しい、借り入れできるまでに時間がかかるというデメリットはありますが、制度を利用できれば継続的な支援サポートも受けられますよ。

今回はそんな生活福祉資金貸付制度について解説していきます。

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生活福祉資金貸付制度の基本

お金が必要だけれども、民間金融機関では返済能力がないとみなされてお金を貸してもらえない…。

このような場合には、もしかしたら生活福祉資金貸付制度を利用できるかもしれません。

生活福祉資金貸付制度は生活に困っている世帯のための貸付制度

住宅や自動車を購入する資金、子供が学校に進学する資金などは、銀行など民間の金融機関から借りるケースが一般的ですね。

ところが、低所得者世帯や障害者世帯、高齢者世帯の場合は返済能力に欠けると判断されてしまい、生活資金に困っても銀行や消費者金融などの民間の金融機関からはなかなか借入できません。

「生活福祉資金貸付制度」では、そうした世帯が経済的に自立して安定した生活を送れるよう、無利子または低金利での資金の貸付や継続的な相談支援を行っています。

一つ注意しなければならないのは、生活福祉資金貸付制度は生活保護のようにお金をもらう制度ではなく、資金を借りる制度であるという点です。

ですから、返済できる見込みがたたないと利用が難しいのですが、一時的なサポートがあれば生活を立て直せそうな場合には、この生活福祉資金貸付制度を有用に活用できるはずです。

生活福祉資金貸付制度は大きく分けて4種類!

生活福祉資金貸付制度で借りられる資金は、

  • 総合支援資金
  • 福祉資金
  • 教育支援資金
  • 不動産担保型生活資金

の4種類に大きく分けられます。

そして、この4種類の資金は資金使途によってさらに細かく分類されているのですが、使途目的によって申し込むべき資金の種類も異なります。

具体的にどのような費用を借りられるのか、もう少し詳しくみていきましょう。

総合支援資金

総合支援資金は、元々リーマンショックの影響で失業した人に向けた支援制度として、2009年10月から始まりました。

従って、この制度を利用できるのは主に失業などで生活に困窮している世帯が中心となります。

総合支援資金は目的別に「生活支援費」、「住宅入居費」、「一時生活再建費」に分けられていますが、住居入居費と一時生活再建費は、生活支援費の貸付を認められた人だけが借りられるしくみになっています。

生活支援費

失業などで収入が途絶えてしまったり、大幅な減収で生活を維持できなくなってしまったりした場合に利用できるのが生活支援費です。

再就職や転職などをして生活の立て直しをするまでの間に必要な生活費用を借りられます。

住宅入居費

住宅を借りるとなると、さまざまな費用がかかります。

契約を結ぶ際に必要な敷金や礼金など、まとまった金額が必要な場合には、この住宅入居費を利用できます。

一時生活再建費

困窮した生活を立て直すために必要だけど、日常生活でまかなうことが困難な費用は、一時生活再建費を借りられます。

例えば、

  • 就職や転職をするための技能を習得するのに必要な費用
  • 滞納している公共料金を立て替えるための費用
  • 債務整理をするために必要な費用

などが該当します。

総合支援金の貸付条件

【借入可能金額・返済期間・金利】

総合支援金借入可能金額
総合支援金2人以上世帯:月20万円以内
単身世帯:月15万円以内
住宅入居費40万円以内
一時生活再建費60万円以内
総合支援金返済期間金利
総合支援金10年以内保証人あり:無利子
保証人なし:1.5%
住宅入居費
一時生活再建費

福祉資金

日常生活を送るための一時的なお金が必要だという場合に、低所得者世帯・障害者世帯・高齢者世帯を対象に資金を貸し付けてくれる制度が「福祉資金」です。

ただし、福祉資金は、やむを得ない理由でまとまった資金が必要な場合にのみ利用可能な制度なので、どうしてもお金が必要だと認められなければ福祉資金を利用できません。

また、福祉資金は、すでに購入してしまったものや契約済みのものに充てることができないことを覚えておいてください。

福祉資金を何の費用として使うかは必ず事前に相談をしなければなりませんので注意しましょう。

福祉資金には、「福祉費」と「緊急小口資金」があります。

福祉費

福祉費では、

  • 技能を習得するのに必要な経費、また技能取得期間中の生活費
  • 福祉器具の購入や、介護サービスなどを受けるために必要な経費
  • 負傷や疾病の療養に必要な経費、また療養期間中の生活費
  • 災害を受けたために一時的に必要になる経費
  • その他日常生活を送る上で一時的に必要な経費

などを借りられます。

上でも説明したように、福祉資金は「どうしてもやむをえない理由」がある場合に利用できる制度です。

例えば、介護施設に入所する場合で考えてみましょう。

介護施設への入所の場合、入所費用そのものなら「やむをえない理由」があるので借入も認められやすいですが、入所時に介護施設の所員に配るための菓子折りの費用は「やむを得ない理由」とは認められず、借入できない可能性が高いです。

緊急小口資金

緊急小口資金は、生活保護費や給料の支給日までのつなぎ資金として貸付をするケースが多いです。

一時的に生計を維持するのが困難になった場合に緊急で必要となる少額の費用を借りられます。

福祉費・緊急小口資金の貸付条件

【借入可能金額・返済期間・金利】

福祉費・緊急小口資金借入可能金額
福祉費580万円以内
緊急小口資金10万円以内
福祉費・緊急小口資金返済期間金利
福祉費20年以内保証人あり:無利子
保証人なし:1.5%
緊急小口資金1年以内無利子

教育支援資金

教育支援資金は、資金の借入が困難な低所得者世帯の子どもが高校や大学に進学するための資金を借りられる制度です。

ただし、国の教育ローン、日本学生支援機構の無利子奨学金など他の公的資金や貸付制度を利用できる場合は、そちらを優先して活用しなければなりません。

教育支援資金には「教育支援費」と「就学支度費」があります。

教育支援費

教育支援費は、低所得者世帯の子供が高校や高等専門学校、短期大学、大学、専修学校に進学するために必要な費用を借りられます。

毎月の学費や教科書の購入費用、また通学のための交通費などがこれに該当します。

就学支度費

就学支度費では、低所得者世帯の子供が高校や高等専門学校、短期大学、大学、専修学校に入学する際に必要な入学金を借りられます。

日本学生支援機構の奨学金を利用する場合だと、最初の入金は入学後になってしまうため入学金はあらかじめ自分で準備しておく必要がありますが、教育支援金の就学支度費なら入学金の納入時期までにあらかじめ借入できるというメリットがあります。

教育支援資金の貸付条件

【借入可能金額・返済期間・金利】

教育支援資金借入可能金額
教育支援費高校:月3.5万円以内
高専:月6万円以内
短大:月6万円以内
大学:月6.5万円以内
就学支援費50万円以内
教育支援資金返済期間金利
教育支援費20年以内無利子
就学支援費

不動産担保型生活資金

「不動産担保型生活資金」とは、低所得の高齢者が現在住んでいる家を手放すことなく、土地や家を担保にして生活資金を借りられる制度です。

要するに、国が運営するリバースモーゲージ制度ですね。

民間のリバースモーゲージとは異なり、地域制限がないのが大きなメリットだといえるでしょう。

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不動産担保型生活資金

「不動産担保型生活資金」というのは、将来もずっと自宅に住み続けることを希望している低所得の高齢者世帯を対象に、生活自宅を担保にして生活費を融資する制度です。

要保護世帯向け不動産担保型生活資金

「要保護世帯向け不動産担保型生活資金」とは、この制度を利用しなければ生活保護を受給せざるを得ないような低所得の高齢者世帯に対して、自宅を担保にして生活費を融資する制度です。

低所得の高齢者に現在住んでいる持ち家がある場合は、生活保護を受ける前にこの制度を利用して生活資金を確保することが優先されます。

不動産担保型生活資金の貸付条件

【借入可能金額・返済期間・金利】

不動産担保型生活資金借入可能金額
不動産担保型生活資金土地の評価額の70%程度
月30万円以内
要保護世帯向け不動産担保型生活資金土地および建物の評価額の70%程度
集合住宅の場合は50%
生活扶助額の1.5倍以内
不動産担保型生活資金返済期間金利
不動産担保型生活資金据え置き期間終了時年3%、または長期プライムレートのいずれか低い方の金利
要保護世帯向け不動産担保型生活資金

生活福祉資金貸付制度を利用できる人

連帯保証人をつければ無利子で、また連帯保証人を付けない場合でも1.5%と、驚くほど低金利で資金を借りられる生活福祉資金貸付制度ですが、どのような人ならこの制度を利用できるのでしょうか?

低所得者世帯

収入が少ないために民間の金融機関などから必要な資金を借りられない世帯(市町村民税非課税程度)が対象となります。

ただし、その基準は都道府県によってまちまちです。

ここでは東京都と新潟市、そして香川県の基準を一覧にしてみましたのでおおよその参考にしてみてください。

都道府県1人2人3人4人
東京都191,000円272,000円335,000円385,000円
新潟市163,000円236,000円288,000円362,000円
香川県単身世帯のおおむね月額155,000円以下
世帯員が1名増えるごとに月額64,000円を加算した収入額以下の世帯

障害者世帯

身体障害者手帳・療育手帳・精神障害者保健福祉手帳の交付を受けている人が属している世帯を指します。

高齢者世帯

65歳以上の高齢者が属する世帯を指します。

高齢者の場合も所得制限が設けられています。

都道府県1人2人3人4人
東京都223,000円402,000円519,000円572,000円
新潟市222,000円319,000円427,000円509,000円
香川県低所得者世帯の目安額の1.7倍以下

生活福祉資金貸付制度を利用できないケースとは?

生活福祉資金貸付制度は主に低所得者世帯を対象としていますが、あくまでも貸付であって給付ではありません。

従って、

  • 無職(総合支援金を利用する場合は現状無職でも可)
  • 多重債務者
  • 返済していける見込みがないほど収入が少ない
  • 破産手続き中また個人再生手続き中の人
  • すでに生活福祉資金制度を利用しているが、その返済を滞納している人、またその連帯保証人

などは、生活福祉資金貸付制度を利用できません。

では、生活保護を受けている場合はどうでしょうか?
生活福祉資金貸付制度は、もともと生活保護を受けられないけれども生活が苦しい、という世帯のための制度です。

ですから、生活保護や失業給付を受給している場合は原則として生活福祉資金貸付制度を利用できません。

生活福祉資金貸付制度の申し込み方法

生活福祉資金貸付制度の申し込み方法は、資金の種類によって申し込みの流れが一部異なりますので注意が必要です。

また、申し込みをする社会福祉協議会や利用する資金によっても細かな違いがあるので、必ず自分が申し込みをする市区町村の窓口で確認をしましょう。

生活福祉資金貸付制度を利用する場合の必要書類

生活福祉資金貸付制度に申し込みをする際の必要書類は、申請する都道府県によって異なる場合があります。

ここでは、東京都で申請をする場合の必要書類を挙げています。

生活福祉資金貸付制度申し込みをする場合には、自分が住んでいる市区町村の社会福祉協議会にどのような書類が必要か必ず問い合わせをしてください。

総合支援資金に申し込みをする場合の必要書類

申込書

  • 住民票の写し
  • 本人確認書類
  • ハローワークの相談を受けたことの確認書類
  • 現在の世帯収入を確認するための書類
  • 他の公的給付や公的貸付、職業訓練などの公的支援を受けている場合の確認書類
  • 世帯の状況が明らかになる書類
  • 連帯保証人の収入証明
  • 債務がある場合は、債務の総額や返済額、また返済状況がわかる書類
  • 債務整理をした場合は、債務整理後の現在の状況がわかる書類
  • その他、資金の種類ごとに必要な書類

福祉資金・教育支援資金に申し込みをする場合の必要書類

【どの費用の貸付けにも共通する必要書類】

  • 申込書
  • 住民票(世帯全員分)
  • 収入証明書
  • 償還計画書

以下に該当する場合は、指定された書類を提出します。

障害者世帯として申請する場合身体障害者手帳・療育手帳・精神障害者保健福祉手帳いずれかの写し
外国人の場合在留カードまたは特別永住者証明書の写し
他に借入がある場合借入残額や返済状況等がわかる書類

【その他費用の種類ごとに必要になる書類】
福祉費

福祉用具等の購入に必要な経費の場合購入物品の見積書、他の助成がある場合にはその決定通知書
負傷や疾病の療養に必要な経費の場合診断書県医療費概算書(所定様式)
介護サービスや障害者サービスを受けるのに必要な経費の場合介護サービス利用計画書、障害福祉サービス利用計画書など
技能習得に必要な経費の場合学校に通学する場合なら学校名・学科名・学費等が分かる書類
学費の納入状況が分かる書類や合格通知書、在学中の場合は在学証明書など
自動車運転免許取得の場合なら、内定先が運転免許は必要であることを記した書類や自動車教習所の見積書など

申請内容や状況によってはさらに他の書類が必要になる場合もあります。

不動産担保型生活資金に申し込みをする場合の必要書類

事前審査時には以下の書類が必要です。

  • 世帯全員の区市町村民税非課税証明書
  • 不動産の登記簿謄本
  • 不動産の公図
  • 不動産の固定資産評価証明書、または固定資産税課税明細書

など

総合支援資金・緊急小口資金の申し込みをする場合

相談や受付は自立相談支援機関が行い、その後、市区町村の社会福祉協議会に引き継がれますが、相談窓口がよくわからない場合には市区町村の福祉課に問い合わせをしてみてください。

最終的な貸付決定の判断は都道府県の社会福祉協議会が行います。

  • 自立相談支援機関に相談・利用申し込みをする
  • 自立相談支援機関が市区町村の社会福祉協議会に話をつなぐ
  • 市区町村社会福祉協議会に申し込み書類を提出する
  • 市区町村社会福祉協議会が都道府県の社会福祉協議会に書類を送付する
  • 都道府県社会福祉協議会で貸付の審査や決定を行う
  • 都道府県社会福祉協議会から貸付決定通知書又は不承認通知書が送付される
  • 貸付決定通知書が届いた場合は借用書類を都道府県社会福祉協議会に提出する
  • 都道府県社会福祉協議会より貸付金が交付される

自立相談支援機関…2015年4月より生活困窮者の支援制度が始まったことに伴って、生活困窮者の相談を受け、情報提供や助言を行う相談窓口が設置されています。

福祉資金・教育支援資金・不動産担保型生活資金の申し込みをする場合

相談や受付の窓口は市区町村の社会福祉協議会ですが、貸付決定の判断は都道府県の社会福祉協議会が行います。

また、地域の民生委員に相談をすれば社会福祉協議会に貸付についての相談をつないでもらえますので、気軽に相談してみてください。

  • 市区町村社会福祉協議会に相談・申し込み書類を提出する
  • 市区町村社会福祉協議会が都道府県社会福祉協議会に申請書類を送付する
  • 都道府県社会福祉協議会が貸付の審査・決定を行う
  • 都道府県社会福祉協議会から貸付決定通知書又は不承認通知書が送付される
  • 貸付決定通知書が届いた場合は都道府県社会福祉協議会に借用書を提出する
  • 都道府県社会福祉協議会から貸付金が交付される

生活福祉資金貸付制度の返済方法と注意点

生活福祉資金制度の返済について

生活福祉資金貸付制度の返済は、社会福祉協議会との相談のうえ、無理のない範囲で行えるよう返済期間を設定します。

また生活福祉資金貸付制度では据置期間が設けられており、お金を借りた日から数ヶ月間は返済が猶予されます。

生活福祉資金の種類据置期間
総合支援資金(生活支援費)最終貸付日から6ヶ月以内
総合支援資金(住宅入居費・一時生活再建費)生活支援費と併せて借入している場合は生活支援費の最終貸付日から6ヶ月以内
福祉資金貸付日から6ヶ月以内
緊急小口資金貸付日から2ヶ月以内
教育支援資金卒業後6ヶ月以内
不動産担保型生活資金契約終了後3ヶ月以内

相談時や申込時は専門家に同席してもらう

生活福祉資金貸付制度は審査がかなり厳しく、申請をしたものの通過できなかった、という声が多く寄せられています。

ただ、ケースワーカーなど専門家に同席してもらうと審査に通過しやすくなる傾向にあるようです。

専門家なら、生活福祉資金貸付制度の利用希望者の状況を的確に窓口の人に伝えることができるということも大きく関係しているのでしょう。

ですから、窓口に相談をする場合は、できるだけケースワーカーやケアワーカーといった専門家に同席してもらうことをおすすめします。

生活福祉資金貸付制度まとめ

生活福祉資金貸付制度は、低収入で生活に困窮している世帯が対象ではあるものの、返済できると判断してもらえなければ貸付を認めてもらえないという点で、利用するにはなかなか難しい部分も確かにあります。

しかし、本当に生活を立て直したいと考えているのであればまずは電話でもいいので相談してみましょう。

もし、生活福祉資金貸付制度を利用できなかったとしても、社会福祉協議会に相談をしたことは何らかの救済に必ずつながるはずです。