武富士ってどんな会社?現在はどのような業務をしている?

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1990年代栄華を誇った消費者金融武富士。

かつてはアコムやプロミスを抜いて日本で一番売上高の高い消費者金融でしたが、グレーゾーン金利判決などが原因で倒産したことを覚えている人も多いのではないでしょうか。

こちらの記事では、武富士の歴史や現在について徹底解説。

消費者金融や日本の金融の歴史に大きな衝撃を与えた武富士は、どのような経緯で成長をしてきたのでしょうか。

日本の金融の歴史を知りたいという人は、この記事を読んで知識を蓄えましょう。

武富士はどんな会社だった?

まずは武富士がどのような会社であるのか、武富士はどのような歴史をたどったのか解説していきます。

かつては東証一部にも上場した日本一の消費者金融

武富士は1966年に武井保雄氏によって創業された富士商事が全身の会社です。

1974年武富士に改名し、1996年店頭(現在のジャスダック)市場公開、1998年には東証一部に上場しています。

2000年にはロンドン証券取引所にも上場、2000年にはアコムを抜いて日本一の売上高を誇る消費者金融になりました。

2001年に発表された2000年度の売上高は約4000億円。

社長の武井氏が単身で立ち上げた会社が、多くの消費者金融を抜き去り名実ともに日本一の消費者金融として知られていました。

強引な取り立てで評判は悪かった

一代でのしあがった武富士ですが、その営業方法は悪いうわさも多くありました。

武富士はヤミ米で貯め込んだ資金をもとに貸金業をスタートし、団地金融と呼ばれる貸金業で売り上げをのばしていきました。

団地金融とは団地を購入する経済力はあるものの、家族がいるため生活費やローンの返済に苦労している主婦を対象に、高利でお金を貸すビジネスモデル。

このビジネスモデルで武富士は一気に規模を大きくしていきます。

しかし売り上げを伸ばし続ける武富士ですが、裏では評判があまりよくありませんでした。

社内では売り上げをあげるためのサービス残業が横行し、早期退職する社員が増加。

さらに返済をできなかったお客さんに対しては、家を訪ねては怒鳴り散らす、深夜に電話をかけるといったことが当たり前におこなわれていました。

現在では貸金業法によってこのような取り立ては禁止されていますが、当時はまだ法律が整備されていなかったこともあり、大きな問題にはなりませんでした。

現代ではブラック企業や消費者金融の異様な取り立てが問題になることは間違いないのですが、時代の中でなんとか生き抜いてきた会社という感じですね。

2000年のジャーナリスト盗聴事件で徐々に勢いが失速する

「債務者から借金が返済できない場合、自分がその債務を負う誓約書を書かされた」
そのような証言が元社員から出るほど武富士は、売り上げを伸ばし続けます。

しかし2000年にジャーナリスト盗聴事件以降、その勢いは徐々に失速しています。

この事件は社長の武井氏を批判する記事を書こうとしたジャーナリストの関係先に対して、武井氏が命令して盗聴器を設置して盗聴したというもの。

このころから武富士からの借金が原因で自殺する人が増加し、これが社会問題になったことも重なり、武富士への風当たりは強くなります。

ちなみにジャーナリスト盗聴事件は後に裁判になり、武富士は賠償命令をくだされ、武井氏には懲役3年・執行猶予4年の判決を受け会長を辞任します。

急成長をしてきたツケが、徐々に回り始めたということですね。

グレーゾーン金利の判決が原因で倒産する

徐々にその勢いを失っていった武富士ですが、2006年に最高裁判所でグレーゾーン金利に関する判決が下されると、一気にダメージを受けます。

この判決は消費者金融業界全体がダメージを受けますが、売り上げが下がり資金繰りが悪化した武富士は瀕死の状態になります。

その後2010年9月会社更生法の適用を申請し、これが受理されます。

これにより武富士は事実上消滅し、TFK株式会社に業務が引き継がれます。

最終的には2017年3月にTKF株式会社が法人として消滅し、武富士の歴史は幕を閉じました。

計画的な倒産ではないかという噂も

しかしこの武富士の倒産は、計画的な倒産ではないかという噂もあります。

当時の武富士は4000億円~5000億円の負債を抱えていたのですが、これは過払い金を支払うための長期的な負債でした。

そのためすぐに支払う負債ではなかったのですが、その状態で倒産をしています。

これには生前贈与をめぐる裁判で、長男俊樹氏が高額な還付金を受け取ったことが原因ではないかと言われています。

武富士の最終的な過払い金の返還率は0.9%にとどまっており、多くの利用者が泣き寝入りしています。

時代の寵児となった武富士ですが、最終的には多くの批判を受けなくなりました。

武富士をめぐるトラブルについて

社員へのパワハラや債務者への取り立てが問題になった武富士ですが、そうした件以外にもさまざまなトラブルがありました。

ここでは武富士をめぐるトラブルについて解説していきます。

武富士支店への強盗殺人・放火事件

2001年5月8日、青森県弘前市にある武富士の店舗で、強盗殺人・放火事件が発生しました。

犯人は店内に油をまいて店員に金を要求。

しかしそれがうまくいかなかったため、店内に火をかけて逃走しました。

店舗は3階にあったため脱出がうまくいかず、勤務していた社員5人が死亡しました。

後の調べで犯人は自分のジャンブルによる借金と、知人女性に頼まれて借りている借金もあったことが発覚。

女性が一家心中したことで、精神的に追い詰められて犯行に至りました。

お金を借りていた店舗ではなかったものの、お金が返せないことによる精神的な追い込みの辛さが浮き彫りになった事件です。

長男武井俊樹氏の生前贈与をめぐる裁判

一族経営を続けてきた武富士は、1999年1600億円もの資産が長男俊樹氏に贈与されています。

贈与された当時俊樹氏は香港に在住しており、当時海外移住者への贈与は非課税扱いでした。

これが課税逃れではないかと指摘され、これがその後に裁判になります。

国税と俊樹氏の間で争った裁判は俊樹氏の勝利。

一度納税した1600億円の返還に加え、利子に当たる還付加算金約400億円を手にします。

正当な裁判で争ったものの、のちに武富士が倒産した原因とも言われています。

次男武井健晃氏の経営責任問題

俊樹氏のもとに返ってきた2000億円は過払い金の還付に充てるべきだという声があがりましたが、俊樹氏はすでに取締役を辞任していました。

そのため過払い金の返金は、次男の健晃氏に標的が向きます。

しかし最終的には健晃氏の経営責任を認める判決は出ず、過払い金の返還率は0.9%のまま。

ちなみに裁判では健晃氏が部下を恫喝したテープレコーダーが証拠として提出され、武富士のブラックな企業文化が判明するきっかけになりました。

武富士倒産の原因となってグレーゾーン金利って何?

さまざまな事件があった武富士ですが、最終的な倒産の決め手となったのはグレーゾーン金利の判決です。

はたしてグレーゾーン金利とはどのようなものなのでしょうか。

利息制限法と出資法の上限金利の違いで存在したあいまいな金利

グレーゾーン金利とは、かつて出資法の上限金利29.2%と利息制限法の上限金利20%が混在していたことが原因です。

出資法は企業向けの金利、利息制限法は消費者向けの金利ですが、かつては細かなチェックがおこなわれていなかったことから、出資法の金利が消費者にも適用されていました。

年利29.2%を超えると刑事罰になりますが、そこに至るまでのあいまいな金利をグレーゾーン金利と呼んでいます。

2010年の判決でグレーゾーン金利が廃止される

グレーゾーン金利はかつてより問題になっていましたが、2010年の判決でグレーゾーン金利が廃止。

これまでグレーゾーン金利を支払っていた人は、請求をすれば払いすぎた過払い金を取り戻せるようになりました。

この払いすぎた金利を取り戻すことを、過払い金請求と言います。

グレーゾーン金利で支払いすぎた金利は消費者に戻さなければならないので、消費者側から請求されれば金融機関は支払わざるを得ません。

グレーゾーン金利の支払いは各金融機関数百億円から数千億円にのぼると言われていたので、金融機関からすると大きなダメージでした。

さまざまな問題があった武富士ですが、このグレーゾーン金利判決が最終的に倒産の決定打になりました。

武富士に払いすぎた金利は倒産のため戻ってこない

グレーゾーン金利で支払いすぎた金利は戻ってくることが原則です。

みなさんもCMや広告で過払い金請求に関するものを見たことがあるのではないでしょうか。

しかし武富士はすでに倒産してしまっています。

倒産したということは、武富士に支払い能力はないということ。

そのため武富士にグレーゾーン金利を支払ってしまっている人は、過払い金請求ができません。

他の消費者金融は過払い金請求に応じていますので、武富士にお金を借りていた人が怒るのはもっともです。

武富士に対する裁判は何度も起こされていますが、武富士への支払い命令は下っていません。

残念ながら武富士に対して、過払い金請求はできないのが現状です。

過払い金請求はどのようにおこなえばいい?

武富士からは過払い金請求ができませんが、その他の金融機関にグレーゾーン金利を支払っている場合、過払い金請求が可能です。

人によっては過払い金請求によって100万円以上の還付が受けられることがあるので、思い当たる人は過払い金請求について詳しく知っておきましょう。

過払い金が戻ってくる条件を確認

過払い金請求の対象になる条件は

  • 2010年6月17日以前に借り入れを開始した人
  • 借金を完済してから10年以内の人

この条件を満たしている必要があります。

2010年6月17日はグレーゾーン金利の判決が出た日なので、その日以降に借り入れをしている場合、利息制限法に応じた金利が適用されています。

また借金を完済してから10年以上経過してしまうと、時効になってしまうため過払い金請求をしてもお金は返ってきません。

そのためかつて借金を完済したという人は、できるだけ早めに過払い金請求をしたほうがいいです。

また借金を完済しておらず、現在も借り入れをしている人でも。

2010年6月7日以前に借り入れをしている場合、過払い金請求が可能です。

弁護士・司法書士に依頼したほうがうまくいくことが多い

過払い金請求は個人でも請求できますが、弁護士や司法書士に依頼して代理人になってもらうこともできます。

どちらの方法でも過払い金が戻ってくる可能性はありますが、弁護士や司法書士に依頼したほうがうまくいく可能性が高いです。

個人で過払い金請求をした場合、金融機関側から素人とみなされる可能性があるからです。

その場合書類の不備を突かれたり、グダグダと交渉を先延ばしにされたりして、過払い金の還付がうまくいかないケースも。

一方過払い金請求のプロである弁護士・司法書士に依頼すれば、金融機関との交渉をスムーズにしてくれます。

もちろん弁護士・司法書士には手数料を支払わなければなりませんが、手間を考えると手数料を支払ってでも弁護士・司法書士に依頼することをオススメします。

弁護士・司法書士への相談は無料のことが多い

過払い金請求を得意にしている弁護士・司法書士は、無料で相談にのってくれる事務所が多いです。

過払い金請求は、弁護士・司法書士にとっても割のいい案件のため、過払い金請求が得意な事務所は積極的に広告を出しています。

過払い金請求に慣れている弁護士・司法書士であれば、金融機関とも交渉もスムーズ。

手数料は支払わなければなりませんが、過払い金をしっかり還付してくれます。

初回相談は無料の事務所が多いので、まずは無料相談に行ってみてはいかがでしょうか。

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かつて栄華を誇った武富士は倒産した

ここまでかつて栄華を誇った消費者金融武富士について解説をしてきました。

強引な取り立てや派手なCMで売り上げを伸ばした武富士ですが、そのつけが回ってきて最終的には倒産することになります。

強引な商売をしてしまうとどうしてもひずみが出てしまい、最終的にはうまくいかなくなるという例の典型とも言えますね。

我々が武富士から学べることとしては、人の道に反することをしないということ。

いくらお金が稼げるといっても、人を大切にしないと最終的にはうまくいかないということですね。