水道は命に関わる重要なライフラインなので、料金を滞納したとしても止められるまでに時間的猶予があるといいます。
では水道料金を滞納してから給水停止に至るまでにはどれくらいの時間がかかるのでしょう?
また、もし給水停止してしまったらどうすればよいでしょう?
今回は、水道料金を滞納してしまった場合の流れと、給水停止してしまった場合の対策について詳しく解説します!
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水道料金滞納から給水停止までの流れは?
水道局は各自治体が管理運営しているため、水道料金を滞納した時の対応は水道局や自治体によってまちまちですが、ここでは一般的な流れを説明していきたいと思います。
水道料金滞納
水道料金は2ヶ月に1度のまとめ払いのため、つい支払い忘れをしてしまいがちです。
2ヶ月分を一度に支払わなければならないので、出費の多い月だと「ちょっと今月は支払えない!」となってしまうことも多いですよね。
ただ、水道料金の場合は、支払い期日を過ぎだからといってもすぐに給水が停止されることはありません。
また、しばらくの間は特に連絡がくるようなこともありません。
督促状が届く
しかし、水道料金の納付期限からおよそ2週間後~20日間以内には、まず督促状が届きます。
「水道料金の支払いを忘れているようですから、支払ってください」という催促の手紙ですね。
督促状には、
- 滞納している水道料金の金額
- 滞納している水道料金の納入期限
- 水道料金が未納になっているので至急納入してほしい旨
などが記載されています。
督促状が来た段階なら、そのまま督促状を持って金融機関やコンビニエンスストアに行けば、滞納している水道料金を現金で納付すればOKです。
しかし、それでもそのまま放置していると、さらに次の段階に進んでいってしまいます。
給水停止予告書が届く
督促状が届いた後も支払いをしないままでいると、水道局によっては「催告状(勧告状)」が送付されることもあります。
催告状は督促状の発行から1ヶ月以内に届くケースが多く、督促状よりはもう少し強い調子で水道料金の支払いを求める文章が記されています。
そして、催告状が届いてもさらに水道料金を支払わないままでいると、最終的には給水停止予告書が送られてきます。
給水停止予告書では、もし最終的な期限までに水道料金が納付されなければ、給水停止や支払督促の申立てなどの措置をとるなどと書かれています。
いわば最後通告ですね。
給水停止予告書が届くのは、本来の納付期限からおよそ2ヶ月後だと考えておきましょう。
水道局にもよりますが、督促状が最初に届いてから実際に給水停止になるまでの間に、電話連絡や家庭訪問を受けることもあります。
給水停止
給水予告停止所に記された納付期限日を過ぎても支払いがなければ、いよいよ給水が停止されます。
水道局によって多少の違いはありますが、本来の納付期限から給水停止までの期間は、およそ3ヶ月~4ヶ月後というケースが多いです。
最終的な納付期限から数日から2週間以内には給水が停止し、給水停止後には、水道局から「給水停止通知書」が送付されます。
給水停止通知書には、
- 滞納している水道料金の金額
- 給水を停止した旨
- 給水停止を解除する方法
- 問い合わせ先
などが記載されています。
水道料金の滞納が原因で給水停止になった時の対処法は?
とうとう水道を止められてしまった…。
給水停止になってしまったらどのように対処すればよいでしょうか。
基本的には滞納料金の全額支払いで給水再開となる
給水停止を解除するには滞納している金額を全額支払わなければなりません。
月末には滞納している水道料金を支払うので、とりあえず給水停止を解除してほしいといったところで開栓などしてもらえません。
自治体によっては、滞納料金の一部を支払えば給水停止を解除してもらえることもありますが、その場合でも、残りの滞納料金を分割で支払いますという内容の誓約書を作成するなどしなければなりません。
しかし、分納の期限にも遅れてしまったら再び給水停止され、残りの滞納料金全額を支払うまでは給水停止を解除してもらえなくなってしまいます。
滞納料金を支払えば半日程度で給水再開される
平日の水道局が開いている時間内に窓口で滞納料金を支払えば、その日のうちに給水停止を解除してもらえる場合が多いです。
給水停止をすぐ解除してもらいたい場合は、窓口で滞納料金を支払いましょう。
給水停止になった場合は、原則として滞納料金は水道局の窓口で支払いをします。
コンビニや銀行振り込みなど、窓口以外での支払いを認めてくれる水道局もありますが、その場合でも滞納料金の支払いが完了したことを電話で報告するか、窓口に出向いて納付書や振込用紙の控えを提示しなければ、すぐには給水停止を解除してもらえません。
土日に支払いをした場合は翌営業日にならないと給水再開されない
滞納料金を水道局の窓口で支払っても、支払ったタイミングによってはすぐに開栓してもらえない場合もありますから、気をつけなければなりません。
例えば、神奈川県の水道局では、水道料金の納入時間と開栓業務の実施時間を次のように定めています。
水道料金の納入時間 | 開栓業務の実施時間 |
---|---|
平日の午前 | 同日の午後 |
平日の午後 | 翌営業日の午前 |
休日 | 営業開始した最初の日の午前 |
木曜日の夜に給水停止になってしまった場合、金曜日の午前中に水道局の窓口に行き滞納料金の支払いを済ませれば、金曜日の午後から水道が使えるようになります。
しかし、仕事などで忙しくしていて金曜日の午後水道局が閉まる直前に支払いを済ませた場合だと、月曜日の午前までは水道を使えないのですね。
土日は業務を取り扱わない水道局が多いため、週末に支払いを済ませても給水停止が解除されるのは週が明けてからということになります。
水道料金を滞納すると生じるリスクは?
水道料金を滞納すると、ただ給水が停止されるだけでは済みません。
水道料金を滞納することで発生するリスクについて考えてみましょう。
延滞料金が発生する自治体もある!
電気やガスの場合は料金を滞納するとたいてい延滞金が発生しますが、水道料金の場合は自治体が運営していることもあってか、延滞金が発生するケースは比較的少ないです。
状況によっては訴えられてしまう場合も
水道料金は上水道料金と下水道料金から成り立っていますが、上水道と下水道では料金を滞納した際の取り扱いが少々異なります。
簡単にいうと、
- 上水道の料金は自治体と利用者との契約によるもの(私債権といいます)
- 下水道料金は税金や国民健康保険料と同じように、その自治体に住んでサービスを受けるためには支払わなければならないもの(公債権といいます)
と位置づけられているのです。
下水道料金の徴収力は非常に強力
ですから、水道料金を滞納した場合、上水道料金は、
- 水道料金の滞納
- 督促
- 裁判所へ申し立て
- 裁判
- 差し押さえ
という手続きを踏まなければ強制的に料金を回収することはできません。
しかし、下水道料金の場合は、
- 水道料金の滞納
- 督促
- 差し押さえ
というように、督促状を送付して一定の期間が経過すればすぐ差し押さえができます。
下水道料金は、より強制的な徴収力を持っているため、裁判に訴えることなしに強制的に料金を回収することが可能なのです。
上水道料金の滞納状況が悪質なら訴えられる可能性も…
一方、上水道は上で説明したように滞納したとしてもすぐに差し押さえを受けることはありません。
しかし、
- 滞納金額があまりにも大きい
- 支払い能力があるにもかかわらず料金を納付しない
- 滞納したまま引っ越しなどして料金を踏み倒そうとしている
というように、滞納している理由が悪質な場合には裁判を起こされる可能性があります。
ただ、生活が苦しくて水道料金をどうしても払えない、というようなケースの場合なら裁判にまで持ち込まれることはまずないといってもいいでしょう。
水道料金がクレジットカード払いならブラックリスト入りに?
クレジットカードでの支払いならポイントが貯まりますので、公共料金の支払いをクレジットカード払いにしている人も多いでしょう。
札幌市、横浜市、京都市、神戸市など、多くの自治体では水道料金をクレジットカード払いにできます。
しかし、水道料金をクレジットカード払いにしている場合、残高不足でクレジットカードの利用代金を支払えなくなってしまうと問題が起こります。
通常、ただ公共料金を滞納しただけでは信用情報に傷がつくようなことはありません。
しかし、クレジットカードを経由して支払いをしている場合は、クレジットカード会社が立替払いをしてくれていますから、返済期日に利用代金の引き落としができないまま滞納をしてしまうと、信用情報に傷がついてしまいます。
そのまま支払いができないと、ブラックリスト入りしてしまうでしょう。
水道料金の支払いが厳しかったら相談
水道料金を支払えない場合は、どのような対策をとればいいでしょうか。
相談すれば給水停止を延期してもらえるケースも
どうしても水道料金の支払いが難しい場合は、水道局に相談をしてみることをおすすめします。
水道料金の納入期限を過ぎてしまったのなら、放置したりせずできるだけ早いうちに相談をする方が良いでしょう。
水道料金を滞納したまま放置していては、支払う意思がないのだと思われてしまい心証も悪くなってしまいます。
- 収入が少なく生活が苦しい
- 病気や怪我のために支払いができない
- 災害に遭ってしまったために支払いができない
など本当にやむを得ない事情があれば給水停止を延期しているくれる場合もありますので、まずは相談してみることです。
水道料金を分割払いできる場合もある
水道料金は一括で納入するのが基本ですが、本当に状況が逼迫している場合には分割払いに応じてくれる自治体が多いです。
水道局としても、水道料金をそのまま滞納されるよりは、分納払いに応じて少しずつでも納入してもらえれば料金の回収に結びつきますから、本当に支払いに困っている滞納者からの申し出を断る理由はありません。
ただし、分割払いに応じてもらうにはやはり早めに相談することでしょう。
今すぐ全額支払うのは難しいけれども、きちんと支払う意志があるのだということを示すことが大切です。
水道料金の減免制度を利用する
自治体によっては水道料金の減免制度を設けている場合があります。
水道局名 | 減免対象 |
---|---|
東京都水道局 | 生活保護世帯 児童扶養手当受給世帯 特別児童扶養手当受給世帯 中国残留邦人 東日本大震災による避難者 |
横浜市水道局 | 障害者世帯 ひとり親世帯 要介護者世帯 東日本大震災の被災者 熊本地震の被災者 |
名古屋市上下水道局 | 生活保護世帯 児童扶養手当受給世帯 障害者世帯 障害児世帯 生活支援給付受給世帯 |
広島市水道局 | 生活保護世帯 中国残留邦人 障害者世帯 要介護者世帯 ひとり親世帯 |
減免の対象となる人や世帯、また、減免される金額など細かい条件は自治体によって異なりますし、これ以外にも水道料金の減免制度を実施している自治体も多くありますので、まずは現在住んでいる地域の水道局に問い合わせをしてみてはいかがでしょうか?
水道料金滞納まとめ
水道は命にかかわるライフラインだから、めったに止められることなんてない、といわれます。
しかし、それだからといっていつまでも料金を滞納していると、結局支払わなければならない料金が積み重なり、ますます支払いが困難になってしまいます。
水道が使えなければ生活に支障が出るだけではなく、確かに命にもかかわるでしょう。
水道料金の支払いは2ヶ月に1度ですが、1ヶ月分に換算したおおよその料金を把握したうえで月々水道代としてプールしておくなど工夫して、極力滞納しないように気をつけたいですね。